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井戸のかくれんぼ

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私の田舎の実家には、今どき珍しい古い井戸がある。こっちに来て学校で話しても、からかわれるくらいのものだ。そんな井戸には、ちょっとした言い伝えがある。祖父母の祖父母の時代、つまりかなり昔の話らしい。

その頃、近所の子どもたちがかくれんぼをして遊んでいた。みんな思い思いの場所、木の茂みや木の上、物陰に隠れていた。当時の田舎では、自然に10人ほどの子どもたちが集まり、遊びが始まるのは珍しいことじゃなかった。

鬼は上級生が務め、次々と隠れていた子どもたちを見つけていった。だが、最後の一人がなかなか見つからない。すると、鬼も捕まった子どもたちも関係なく、全員でその子を探し始めた。やっと見つけたとき、その子は待ちくたびれて寝てしまっていた。まだ幼い子どもだったのもあって、疲れてしまったのだろう。

その日の夕方、みんなは家に帰り、いつも通りの夕食の時間が訪れた。しかし、その後、近所のおばさんが走り回りながら叫んでいた。「うちの●子ちゃんが帰ってないの!」と。

「あれ、●子ちゃんは今日のかくれんぼに参加してたかな…?」と、遊んでいた誰もが疑問に思った。親たちからも細かく事情を聞かれたが、●子ちゃんが参加していたかどうかはっきり覚えている者はいなかった。何せ、かくれんぼは自然発生的に始まる遊びだからだ。

翌日、●子ちゃんは見つかった。井戸の中で。だが、その姿はただの事故では片付けられないものだった。●子ちゃんの衣服は、異様にぼろぼろになっていて、まるで何かに切り裂かれたかのようだった。井戸の仕組みを知っている当時の子どもが、わざわざ飛び込むとも思えない。

この不可解な出来事を境に、村では「井戸の付近にはかまいたちがいる」という噂が立つようになった。かまいたちは姿が見えないまま、風のように通り過ぎ、人の体を鋭利な刃物で切り裂くと言われている。

今でもその場所は誰もが避ける禁忌の場所となっている。