両親の田舎暮らし

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昨年、父が定年を迎え、長い間献身的に働いてきた仕事を辞めた。家族のために身を粉にして働いてきた父を、私は本当に尊敬している。それに伴い、両親は地方の田舎に移り住み、静かな暮らしを始めた。私も嫁に行き、兄もとうの昔に結婚して実家を出ているため、両親のもとを訪れる機会はあまりなかった。

寂しさもあったが、私自身も家庭が忙しく、田舎に遊びに行く機会をなかなか作れなかった。しかし、今年のお盆休みは初めて娘を連れて一泊することにした。両親が住む田舎の家は、狭い山道やトンネルを越えて、高速道路を降りてからさらに3時間も走った場所にあった。

昔ながらの一軒家だが、しっかりとした造りで、長旅の疲れも手伝って夕食を終えるとすぐに横になった。気づけば、娘も私の横で静かに寝ていた。

だが、ふと目を覚ますと、両親の姿がないことに気づいた。呼んでも返事がなく、家の中を探してもどこにもいなかった。「こんな夜中にどこへ…?」田舎には夜に出かける場所なんてないはずだ。違和感を覚えつつ、私は玄関を開け、外を探してみることにした。

ひんやりとした夜の空気が広がる庭に出ると、静寂の中にかすかな「カサカサ」という音が聞こえた。耳を澄ませながら裏庭に進むと、両親がそこに立っていた。月明かりに照らされ、ぼんやりと見える彼らの姿。足元には、まるで何かを掘ったような穴があった。

「何をしているの?」と声をかけようとしたが、母が振り向き、柔らかい笑みを浮かべて「さあ、寝る時間ですよ」と言い、私を促して家に戻された。まるで何かを隠しているようなその雰囲気に、私は言葉を失った。

翌日、両親に昨夜のことをそれとなく聞いてみようとしたが、話題になると二人とも明らかに話を逸らすように振る舞う。何かがおかしいと感じながらも、結局そのまま帰ることになった。

田舎の家に戻るたび、あの裏庭の穴のことが気になって仕方がない。両親が何を掘り、何を隠しているのか。それを聞く勇気がまだ私にはない。