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その硬貨は返せない|自販機にまつわる都市伝説

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その日は夏休みの午後、夕立が止んだばかりで、街中が蒸し暑さに包まれていた。小学4年生のアカリは、近所の公園で遊んだ帰り道に、自動販売機でジュースを買おうとした。ポケットに入れていた100円玉を投入し、選んだのは冷たいオレンジジュース。カタンという音とともにジュースが出てきたが、お釣りが出てくる音も聞こえた。

「お釣り、いるかな?」

アカリは手を伸ばして取り出した硬貨を見て首を傾げた。それは普通の100円玉よりも妙に軽く、色もくすんだように見えた。だが、まだ小学生のアカリはそれを気にせず、鞄に放り込んで家に帰った。


翌日、アカリはその硬貨を持って近所の駄菓子屋へ向かった。ラムネとスナックを買おうと100円玉を差し出したとき、店のおばさんが険しい顔で言った。

「これ、偽物じゃないの?」

アカリは驚いたが、どういう意味か分からず、「でも、自動販売機から出てきたんだよ」と答えた。おばさんは何も言わず、硬貨を返してきた。それを手に取ると、妙な冷たさが手のひらに広がり、アカリは思わず硬貨を落としてしまった。

「なんだろう、この硬貨…」

不安な気持ちになりながらも、アカリはそれを再び鞄にしまい込んだ。


その夜、アカリの部屋に奇妙なことが起きた。布団に入って目を閉じていた彼女は、突然金属が擦れるような音を耳にした。最初は気のせいだと思ったが、その音はだんだんと大きくなり、部屋の中に響き渡るようになった。

「カリ…カリ…」

その音の方向に目を向けると、机の上に置いた鞄が微かに揺れているのが見えた。硬貨が入っている鞄だ。恐る恐る鞄を開けると、硬貨がひとりでに転がり出てきた。アカリは悲鳴を上げて布団に潜り込んだが、硬貨の冷たさが手のひらに残ったような感覚が消えなかった。


次の日、アカリは母親に硬貨のことを話した。だが、母親は「そんなことあるわけない」と笑い飛ばし、まともに取り合わなかった。それでも気味が悪くなったアカリは、その硬貨を川に捨てることにした。

川辺に着くと、手の中の硬貨が妙に重く感じられた。振り払うように硬貨を投げ捨てたが、投げた瞬間、耳元で小さな声が聞こえた。

「カエシテ…」


それ以来、アカリの周りでは奇妙な出来事が起こり始めた。学校の教室で突然窓ガラスが割れたり、自転車が勝手に倒れたり、家の中で聞こえるはずのない足音が聞こえたりした。特に夜になると、あの金属音が再び響くようになった。

「カリ…カリ…カエシテ…」

アカリは恐怖で眠れなくなり、体調も崩してしまった。心配した母親が話を聞いても、アカリは泣きながら「ごめんなさい」と繰り返すばかりだった。


数週間後、アカリの姿が突然消えた。警察が出動して捜索が行われたが、彼女がどこに行ったのか誰も分からなかった。家には何の痕跡も残されていなかったが、ただ一つだけ、机の上に置かれた硬貨が不気味な光を放っていた。

その硬貨には、小さな手形のような模様が浮かび上がっていたという。捜査員がそれを触れると、冷たさに驚き、すぐに手を引っ込めた。


アカリが戻ることはなかった。あの硬貨がどこから来たのか、そして何の呪いが込められていたのか、誰にも分からない。ただ、あの自動販売機が今もその場所に立っていることだけは確かだ。

そして、そこを訪れた人たちの中には、似たような硬貨を受け取ったという話が絶えないという…。

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