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忘れ去られた友からの手紙

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あれは、17年前の高校3年生の冬のことだった。私の故郷は、周りを山に囲まれた静かな田舎町で、日々の楽しみといえば週末に友人と集まってたわいもない話をするくらいしかなかった。それだけのはずだったのに、今でも思い出すたびに胸がざわつく出来事が一つある。私は、そのことについて記録を残すことにした。

その日、学校帰りのポストに一通の手紙が入っていた。白い封筒に、私の名前が手書きで書かれている。差出人の名前は見当たらず、裏に書かれた「重要」という文字がかすかに滲んでいるのが見えた。封を開けると、便箋に整った字でこう書かれていた。

「あなたが知っている私の名前は、ヤマダです。あなたは覚えていないでしょうが、私たちは17年前に出会っています。今月25日の19時に、駅前の公園で待っています。必ず一人で来てください。伝えなければならないことがあります。」

ヤマダという名前に心当たりは全くなかった。もしかしたら、友人の悪ふざけか、誰かが冗談で送ってきたのかもしれない。しかし、読めば読むほど、その手紙には得体の知れない重みが感じられた。「必ず一人で来てください」という文がやけに引っかかり、無視するわけにもいかないような気がした。

忘れ去られた記憶

17年前といえば、ちょうど私が小学生だった頃だ。しかし、ヤマダという名前も、公園での出来事も、まったく思い出せない。頭の中に記憶の断片が浮かびそうで、霧の中に消えてしまう。どうしても誰なのかが思い出せない。

そこで、昔のアルバムや日記を引っ張り出して調べてみたが、どこにも「ヤマダ」という名前の人物はいなかった。友人にも尋ねてみたが、誰一人として心当たりがないと言う。心のどこかで「行くべきではない」と感じていたが、なぜか、どうしてもその場所に行かなければならないような気がした。

謎の人物との再会

そして、約束の日が来た。少し早めに家を出て、指定された場所で待っていると、夕方の暗がりの中、一人の人影が見えてきた。その人物は無表情で私を見つめていた。暗くて顔はよく見えないが、何か馴染みのあるような、不思議な感覚があった。

「ヤマダさん…ですか?」

その問いかけに、彼は静かにうなずき、声を出さずに手招きしてみせた。そして、公園の奥にある小道へと歩き出す。言葉にできない不安が込み上げてきたが、私も何故か引き寄せられるように後を追った。

しばらく歩くと、彼は立ち止まり、低い声で呟くように話し始めた。

「あなたには、思い出してほしいことがある」

その言葉を聞いた瞬間、頭の中に過去の記憶が一気に蘇ってきた。小学生の頃、親友だと思っていたヤマダという子が、突然学校を去ったのだ。彼は突然転校してしまい、その後の消息は全くわからなくなっていた。そのことを思い出したとき、私は震えが止まらなくなった。

手紙の意味

彼は、私が忘れていた過去の記憶について話し始めた。昔、私たちはある秘密を共有していたらしい。小学生の頃の些細な出来事が、私たちの関係に大きな影響を与え、彼はそのせいで転校を余儀なくされたのだという。

彼は静かに微笑みながら話し続けたが、その目はどこか暗く、冷たい光を帯びていた。

「もう時間だ…」と彼が言った瞬間、私は一瞬目をそらしてしまった。そして再び振り向いた時には、彼の姿は消えていた。

消えた手紙

家に帰り、再び手紙を確認しようとしたが、なぜか見つからなかった。ポケットに入れていたはずの手紙が、どこかに消えてしまったのだ。不安になりながらも、次の日には夢だったかのように思えるようになった。

ただ、あの時の「ヤマダさん」の言葉だけは頭の中に残り続け、消えることはなかった。「思い出してほしい」という言葉が、まるで呪いのように、日々私の耳にこだまする。

そして、今もなお、あの公園に行くたびに、誰もいない小道の奥で何かを見つめている気がしてならない。