幻のアニメ最終回が沖縄で放送された夜
1990年代後半のこと。沖縄のある家庭で、奇妙なアニメの放送が目撃されたという噂が広まった。アニメは、当時の子供たちの間で大人気だったシリーズだったが、その内容は通常放送されるエピソードとは全く異なり、異様な雰囲気が漂っていた。
その夜、沖縄のある家庭で家族がテレビを見ていたところ、画面に突然そのアニメが映し出された。当時、録画機能付きのテレビが普及し始めた時期で、アニメのファンである子供がどうしても最終回を録画しておきたいと親に頼んだ結果、録画ボタンが押された。画面にはいつもの登場キャラクターが出てきたが、どこか様子が違う。背景音楽はなく、無音が続く中、キャラクターがじっとこちらを見つめているかのようだった。
物語の開始
物語が始まると、キャラクターたちは日常のように動き回るが、声は一切なく、代わりに低く不気味な風の音が背景に流れていた。キャラクターの表情も無機質で、楽しそうな場面なのに笑顔がなく、まるで操られているかのように見えた。しばらくして、キャラクターが一人ずつ消えていく場面が映し出された。消えるたびに画面が暗転し、次のキャラクターに移り変わる。どのキャラクターも、虚ろな目でこちらを見つめる瞬間が映し出され、家族は思わずゾクッとした。
そして、ある場面で主人公が教室に立っているシーンが映る。だが、教室は異様に暗く、窓の外には何も見えない。ただの黒い空間が広がっているだけだった。まるで現実と夢の狭間にいるかのような不思議な感覚がテレビから伝わってきた。
録画された不思議なエピソード
その夜の放送が終わった後、録画したビデオを再生しようとした家族は、さらに奇妙な出来事に直面した。ビデオテープを再生すると、確かに録画されていたはずのアニメが映っていたが、内容が変わっていたのだ。シーンが飛び飛びで、ところどころモザイクがかかっていたり、場面が突然切り替わったりしていた。
録画の中盤で突然、キャラクターの一人が「なぜここにいるの?」と低い声で話しかけてきた。通常放送される声とは違い、どこか大人びた、恐ろしげな声だった。その声を聞いた瞬間、家族は慌ててテレビの電源を切ったが、何度もその言葉が頭の中で反響したという。
地元で広まる噂
その後、家族はこの出来事を周囲の人に話し始めた。地元では同じような現象を目撃したという噂が次第に広がり、他の家庭でも「幻の最終回」を見たという証言がいくつか寄せられた。しかし、どの家庭も内容の詳細が微妙に異なっており、特定のキャラクターが異様な言葉を発したり、エンディングが突然途切れるなど、不可解な出来事がそれぞれ異なっていた。
ある家族の証言では、最後の場面で全員が「また会おうね」と言いながら画面いっぱいに近づいてくる場面があったという。そのシーンは、子供たちが泣き出すほど恐ろしかったと語られている。また、別の家庭では、全員が視線を合わせず、ただ無表情にどこかを見つめているという場面が流れ、静寂に包まれたまま放送が終了したという。
ビデオテープの行方
さらに奇妙なことに、その「幻の最終回」を録画したというビデオテープは、いくつかの家庭で消失しているのだという。気づいたらテープが消えていた、あるいは保存場所にしまっていたはずなのに見当たらないなどの話が後を絶たない。中には、何度も録画し直してもなぜか同じ「幻の最終回」が映し出されてしまうという奇妙な体験をした家族もあったという。
真相は闇の中
この不気味なアニメの最終回について、地元のテレビ局に問い合わせても「そのような放送は記録されていない」との返答が返ってきただけだった。そのため、「幻の最終回」は結局ただの都市伝説であると言われるようになった。しかし、一部の住民は今でもその真実を信じており、あの放送があった夜、沖縄のとあるテレビ局の内部に何かしらの異変があったのではないかと囁かれている。
それ以来、沖縄の夜には今でも「あの幻の最終回」の話題が語り継がれている。