商店街を逃走する夢を見る

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俺が体験した話なんだけど、まあ、最初は普通に「夢だな」と思ってたんだ。そんなに怖がりでもないし、夢の中で変なことが起きても「どうせ夢だろ」って感じで、軽く流してた。でも、その夢があまりにもリアルで、何度も同じような内容で繰り返し見るようになってさすがに気になり始めたんだよね。

その夢は、夜の商店街を歩いている俺が、後ろから足音を感じるところから始まる。誰かに追われている気がして、振り向くと目が合った男が全力でこっちに向かって走ってくるんだ。もちろん、俺も逃げるんだけど、どうしても追いつかれてしまう。そこで目が覚める、いつもそのパターン。

最初は「まあ、悪夢だろ」と気にも留めなかったんだけど、何度も同じ内容の夢を繰り返し見始めると流石に気味が悪くなってきた。だってさ、夢の中の商店街が実際に俺がよく行くところと同じ場所なんだよ。あの古びたビルの前、あのコンビニ、あの街灯、全部が現実とリンクしている。そんなわけで、ある日俺は夢の通りの道をあえて歩いてみたんだ。怖いけど、好奇心ってやつ?

そしたら、夢と同じシチュエーションにドンピシャで遭遇した。夜、商店街を歩いている俺、周りは静かで、唯一の音は俺の足音。ふと、夢の中で聞いてたあの足音が後ろから聞こえた気がして、嫌な予感がしてさ、振り返ったんだよ。そしたら、いたんだよ。夢の中で俺を追いかけてくる男が。あの黒っぽいパーカーにキャップを深く被った奴。

夢の中とまったく同じ。もう心臓がバクバクで、体が固まっちゃってさ、目の前が真っ白になりそうだった。男はこっちに向かって歩いてくる。だんだん速くなって、走り出す。俺、もう反射的に走り出して、商店街を全力で逃げたんだ。

「逃げ切らなきゃ」って思いで必死に走ってた。夢の中ではいつもこの時点で追いつかれてたんだけど、何か違ったんだよな。いつもなら途中で足がもつれたり、急に力が入らなくなって捕まるんだけど、その日は違った。俺、逃げ切れたんだ。

一気に自宅まで走って帰って、ドアを閉めて鍵をかけて、ほっとした瞬間、外から聞こえたんだ。

「夢ではいけたんだけどな…」

ドア越しに、その男の声。夢と同じだ、でも今回は俺が逃げ切った。

俺はすぐに親に電話して、家の外に誰かいるって伝えた。すぐに来てもらって車で迎えに来てもらったんだけど、あの男がいたかどうかは誰も確認してない。でも、あの声だけははっきりと聞こえたんだよ。

あれ以来、あの道は絶対に通らないようにしてる。夢と現実がリンクするなんて信じられないかもしれないけど、あの男は間違いなく夢だけの存在じゃなかった。あの日、俺が本当に逃げ切れたかどうか、今でも時々思い出してゾッとするんだ。

もう二度と、あの夢を見ることはないけど、あの男がどこにいるのかもしれなくて、まだ怖い。