閉鎖された中学校の「音楽室」

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俺が聞いた話なんだけど、これ、結構やばいから誰にも言わない方がいいかも。まぁ、ここに書いてる時点で矛盾してるけどさ、そこはご愛嬌ってことで。ちなみに、俺が通ってた中学校に関する話なんだけどさ。

俺の学校、ちょっと古い校舎があって、その中でも「音楽室」はいわくつきだったんだ。昔、そこの音楽室でひとりの男子生徒が行方不明になったって話があってさ。名前とかはもう覚えてないけど、まぁ、仮にA君ってことにしておこうか。

で、そのA君が夏休み前のある日、放課後に音楽室でピアノの練習をしてたらしいんだ。まぁ、普通に音楽の成績も良かったらしいし、真面目なやつだったらしい。ピアノってのはね、集中しだすと時間なんて忘れるらしくてさ、気づいたら夕方になってたんだって。で、帰ろうとしたら…教室の扉が開かない。

最初は冗談だと思ってたみたいだよ。「まぁ、誰かがいたずらで鍵かけたんだろう」って感じで。だけど、そのうち本当に開かないって気づいて、ちょっと焦りだした。窓の外を見ても、もう誰もいない。学校の正門はもう閉まってるし、家族に電話しようと思ったら、ケータイも持ってない。

そっからがヤバい。A君、しばらくは大声で助けを呼んだり、窓を叩いたりしてたんだけど、誰も来ない。もう日が沈みかけて、部屋の中は薄暗くなってきて、次第に不安と恐怖が襲ってきたんだろうな。で、最終的には音楽室の黒板に「助けて」って文字を何度も書き始めたんだ。

次の日、A君が帰ってこないことに家族が気づいて学校に問い合わせたら、学校側も彼がどこにいるか全くわからなくて、警察に通報された。で、捜索が始まったんだけど、音楽室の鍵は普通に開いてたらしいんだよね。これが不思議でさ。誰も鍵をかけた形跡もないし、故障もしてなかった。

最終的に、A君は見つからなかった。でも、黒板にはあの「助けて」ってメッセージが残されてて、それがまるで狂ったように乱雑に書かれてたってさ。床にはチョークの粉が落ちてて、どれだけ必死だったかが想像できるよな。

で、ここで話は終わらない。俺が中学生の頃、その音楽室は封鎖されてたんだ。でもね、夏休みが近づくと、その音楽室から時々「ピアノの音」が聞こえるって話が出始めたんだよ。夜遅く学校に残ってた先生が聞いたり、運動部のやつらが部活帰りに「誰かがピアノを弾いてる」って言ってさ。

ある日、俺のクラスのTが好奇心で夜に旧校舎に行ったんだよ。まぁ、バカだよな。でも、俺らも少し気になっててさ。「誰もいないはずだし、何もないだろう」って思ってたんだけど、Tは帰ってきてからおかしくなっちゃった。

T「おい、あの部屋、絶対行かない方がいい」

俺「何があったんだよ?」

T「黒板だよ…あれ、今もあるんだ」

俺「何が?」

T「『助けて』って書いてあった。しかも、昨日行った時より、文字が増えてたんだ」

俺「増えてた?そんなバカな…誰かのいたずらだろ」

T「いや、いたずらじゃない。絶対に違う。あの部屋、何かいる」

その日からTは、学校で音楽室の話を一切しなくなった。普段は陽気な奴だったのに、そっから急に無口になってさ。俺も怖くなって、その話には触れないようにしてた。

でも、さらに不思議なことが起きたんだ。封鎖されたはずの音楽室が、また使えるようになったんだよ。誰も理由を知らない。何も説明されなかった。ただ、ある日突然、使えるようになって、俺たちも授業でその部屋を使うことになったんだ。

黒板は綺麗に消されてた。チョークの跡も、引っ掻き傷も何もなかった。まるで何事もなかったかのように。でも、俺は忘れない。あの部屋で過ごすたびに、誰かがピアノの音を聞いたと言い出すやつが必ず出てきて、それが本当にあのA君のピアノなのかもしれないって、みんなでゾッとしてた。

最後に、Tが一度だけ言った言葉が頭から離れない。

T「俺、あの部屋に行った時、一瞬見たんだ。黒板の前で誰かがピアノを弾いてる姿を。だけど、そいつ、顔が見えなかったんだよな…」

それ以来、誰もその話をしなくなった。音楽室は使われ続けてるけど、俺も含めてみんな、あの部屋では妙な静けさを感じるんだ。