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監視する趣味が生んだ恐怖

ヒトコワ,現代怪談オカルト,ミステリー,不気味な存在,夜の街,怖い話,恐怖体験,消える人物,監視カメラ

私は昔から、インターネットで公開されている街のWEBカメラを見て、夜の街を監視するのが趣味だった。もちろん、何か特別な目的があったわけではない。ただ、日常の中で起こる些細な出来事を、他人ごととして眺めるのが好きだったんだ。酔っ払ったおっさんがフラフラ歩いてたり、カップルがいちゃついてる様子を見ると、なんとなく安心する。だって、それが普通の光景だから。

でも、ある夜のこと。私はいつも通り、WEBカメラを見ながら気ままに時間を潰していた。いつも見ている街角に、やはり酔っ払ったおじさんが座り込んでいる。そんな光景には見慣れていたので特に気にも留めなかった。

その時、少し離れた場所に立っていた男が、ふと目に留まった。妙に姿勢が悪く、フードを深く被って顔が見えない。なんだか不気味な雰囲気が漂っていたけど、深夜だから不審者がいてもおかしくはない。

その男は、酔っ払ったおっさんのすぐ横に立つと、じっと彼を見下ろしていた。私は「もしかして、おっさんに何かするのか?」と少しだけ興味を持ち、カメラの画面に集中した。

しばらくすると、酔っ払ったおっさんがゆっくりと立ち上がり、ふらふらと歩き出した。でも、その後ろをフードの男がついてくる。ぴったりとおっさんの動きに合わせて。

「追ってる?」と思った瞬間、カメラの画面がバグったように一瞬暗くなった。次に映ったのは、おっさんだけで、さっきのフード男はどこにもいなかった。まるで消えたように。

私は「なんだ今の?」と不安に思いつつも、再びWEBカメラを眺めたが、特に異常はなく、また日常の風景に戻っていた。

翌日、また同じ街角のカメラを見ていたら、昨日のおっさんが同じ場所に座り込んでいるのが映った。しかし、何かが違った。彼の姿勢は妙に硬く、全く動かない。まるで人形のように不自然だった。

さらに、その後ろには、昨夜見たあのフードの男が立っていた。昨日と同じように姿勢を悪くし、じっとおっさんを見下ろしている。

「なんだこれ…?」と思って、カメラを凝視していると、突然フードの男がゆっくりとカメラの方を向いた。そして、何かを囁くように口を動かした。もちろん、WEBカメラには音声がないから何を言っているのかわからなかったが、その目はまっすぐ私を見ているように感じた。

心臓がバクバクしてきて、手が震えた。画面越しなのに、なぜか目が合っているような感覚に襲われた。

その瞬間、再びカメラがバグったように画面が一瞬暗くなった。そして、画面に戻った時には、フードの男も、おっさんも消えていた。

その夜、私は怖くなって、もうWEBカメラを見ないことにした。だが、不安で仕方なく、街の様子がどうしても気になってしまった。そして、またカメラを見てしまった。

でも、もう誰もいない。ただ、私のPCのカメラに反射する自分の姿が見えていた。それだけ…のはずだった。

でも、よく見ると、画面の隅に、あのフードの男が、じっと私の後ろに立っていた。