消えたマンホール
俺は二十歳の普通の男だ。特に変わったこともなく、日々を送っている。そんなある日、ふと思い立って買い物に出かけることにした。目的があったわけでもなく、ただぶらぶらと繁華街に行くことにしたんだ。
電車を乗り継いで街に出た。平日だったから、そこまで混んでいるわけではなかったけど、賑わいはそこそこあった。人が行き交い、店の音楽が聞こえる。賑やかさに飲まれるのも悪くない。
何を買うって決めてたわけでもないから、ただ街を歩いてぶらぶらしていた。ふと、「最後にお気に入りのセレクトショップだけ見て帰ろう」と思い、メインストリートから少し外れた裏道に入った。そこは普通に舗装されていて、危険な場所でもなければ、人気が少なすぎるわけでもない。ただ、少しだけ静かな場所だ。
俺は何気なく道の真ん中にあったマンホールの上を歩いた。すると、突然足元が抜けて、俺はそのままマンホールごと落ちていったんだ。まさか、マンホールが落ちるなんてこと、普通はありえないだろ?
最初は「えっ?」って感じだったけど、だんだん落下の感覚が続くのに気づいて焦った。マンホールの下って普通、どれくらいの深さがあるんだろう?3メートルくらい?でも、俺はどこにも着かない。ただひたすら、闇の中を落ち続けている感じだった。
「さすがにこれ終わったな」と思った。落ちていく感覚が続いてるし、真っ暗で何も見えない。まるで底なし沼みたいだった。
気が遠くなりそうになったところで、突然意識が途切れた。そして、次に気づいたら、なんと自分のベッドの上だった。家に戻ってきていたんだ。
「夢だったのか?」と思ったが、違和感が残っていた。あの感覚、あの落ちる恐怖があまりにリアルだった。俺の記憶では、確かにあのマンホールに落ちたんだ。
その後、あの日のことはだんだん忘れかけていた。でも、ふとした瞬間に違和感が蘇る。まるで、あの日俺は別の世界に落ちてきたんじゃないかという感覚。
俺の昔の記憶では、マンホールは全部四角だった。でも今、街にあるマンホールはすべて丸い。
















