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当たりを引く男の子

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昭和初期、俺は小学生で、仲のいい友達3人とよく近所の駄菓子屋に遊びに行っていた。小さな家の前に駄菓子がずらりと並んでいる店で、俺たちは100円を握りしめ、当たり付きのガムやチョコを目当てに足繁く通っていた。

ある日、いつものように駄菓子を物色していると、店に帽子を深くかぶった同じくらいの年頃の男の子が一人で入ってきた。あまり見かけない顔だったけれど、何度か見たことがあった。いつも一人で来て、いつも不思議なことに当たりを引くんだ。一度や二度じゃない。彼が駄菓子を買うたびに、二回、三回と当たりを引いて、俺たちは感心しつつも、少し怖くなってきていた。

「あいつ、また当たり引いたぞ」と友達の一人が言った。俺も、その場で当たりを引く帽子の男の子を見て、何かおかしいなと感じ始めた。運が良すぎる――というか。

ある日、いつものように彼が当たりを引くと、店主のばあちゃんが怒り出した。「あんた、ズルしてるんじゃないかい?」と厳しく詰め寄ったのだ。ばあちゃんは長年駄菓子屋をやっていて、こういうことには敏感だったのかもしれない。

その瞬間、帽子の男の子は血相を変え、奇妙な声をあげて店を飛び出していった。俺たちは唖然としたまま、何が起きたのか理解できずにいたが、ばあちゃんは「こらー!」と叫んで、追いかけていった。

彼が駆け抜けていくと、なぜか手に持っていたガムやチョコレートの当たりくじが次々と地面に落ちていった。どれだけ大量に当たりを持っていっるんだ?まさか製造してるのか?
彼は信じられない速さで逃げていったが、結局どこに消え去った。

その日以来、帽子の男の子は二度と駄菓子屋に現れなかった。俺たちはいつも彼のことを不思議に思いながら、駄菓子屋に通い続けたけれど、謎は解けないままだった。

時々、同窓会で集まると、必ず誰かがあの帽子の男の子の話を持ち出す。「あいつ、結局何者だったんだろうな?」と。けれど、誰一人としてその答えを知る者はいなかった。

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