奇妙な小さな男たちの話
俺が住んでいる田舎には、不思議な噂がある。最近、仕事の関係で都会からこの山奥に引っ越してきたんだけど、静かな環境で自然も豊かだし、気に入っていたんだよね。でも、地元の人たちが言うには、ある場所には絶対に近づかない方がいいらしいんだ。
その場所っていうのは、村のはずれにある古い神社の周辺。昼間は何もない、ただの山道なんだけど、夜になると奇妙な現象が起きるっていうんだよ。俺も最初はそんなこと信じてなかったんだけど、ある日、仕事帰りにその道を通らざるを得ない状況になったんだ。
その夜は満月で、山道がぼんやりと明るかった。でも、なんか妙に静かで、虫の音すらしないんだ。俺は、怖いなんて思うわけないと思いつつも、少し急ぎ足で歩いてた。
そしたら突然、前方の森の茂みから「わーわーわー」っていう、なんとも言えない騒がしい声が聞こえてきたんだ。子どもたちが遊んでいるのかと思って近づいてみると、目を疑う光景が目の前に広がっていた。
そこには、50cmくらいしかない小さな男たちが何十人も集まっていて、楽しそうに跳び跳ねているんだ。しかも、みんな揃いも揃って同じ顔をしていて、何やら「わーわーわー」と叫びながら、神社の周りをぐるぐる回っていた。
俺は一瞬、何を見ているのか理解できなかった。でも、足がすくんで動けなくなっていたんだ。まるで夢の中にいるような感覚だった。
そのうち、男たちのうちの一人が俺に気づいた。彼はじっと俺を見つめて、他の男たちに何かを合図したみたいで、みんなの視線が一斉に俺に向けられたんだ。突然、全員がこちらに向かって走り出してきた。
「わーわーわー!」
その声がどんどん近づいてくる。俺は恐怖に駆られてその場から逃げ出したんだけど、どんなに走っても、後ろから聞こえる「わーわーわー」の声は消えない。まるで背中に張り付いてくるようだった。
やっとの思いで家にたどり着いた時には、もうヘトヘトだった。玄関を開けて、何とか家に入った瞬間、急にその声が止んだんだ。振り返ってみると、あの小さな男たちはいなかった。
翌日、地元の人にその話をしたんだけど、「ああ、それはわーわー様だよ」と言われた。どうやら昔からこの辺りに住む人たちは、その小さな男たちの存在を知っているらしく、夜に神社の周りで遊んでいる姿を何度も目撃しているらしい。
「わーわー様」は、無邪気に遊んでいるだけで、危害は加えないって言うんだけど、もし見かけたら、決して声をかけたり、近づいたりしてはいけないんだと。もし彼らが自分に気づくと、一晩中「わーわー」と騒がれ、逃げても追いかけられるんだとか。
それ以来、俺はその道を通るのを避けるようにしている。無邪気とはいえ、あの光景は二度と見たくない。















