怪しいアルバイト
昔、本当に金に困っていた時期があって、背に腹は代えられないっていう状況だった。バイトを掛け持ちしても生活は苦しいし、正直、何でもいいからもっと稼げる仕事が欲しかったんだ。
ある日、街を歩いてたら電柱に怪しいチラシが貼ってあった。
「日給10万円!簡単作業!未経験OK!」
今思えば、普通そんなバイトがあるわけないんだが、その時は金に目が眩んでた。俺はすぐにその電話番号にかけてみたんだ。電話の向こうの男は「簡単な作業だし、特にスキルも必要ない」と言って、すぐに面接の日時を指定してきた。
指定された場所は、古びた雑居ビルの一室。行ってみると、内装はボロボロで、これ本当に会社?って思うような雰囲気だった。待合室には他にも数人の若い男がいた。みんな同じように金に困っているんだろうなって顔をしてたよ。
面接官は中年の男で、最初は普通に仕事の説明をしてくれた。「君には夜の作業を頼みたい。ちょっと特殊な仕事だから人手が少ないんだよ。だけど、全然危険じゃないし、黙ってやってればすぐ終わる。」
「それで10万もらえるなら!」と俺は即座に了承した。
当日の夜、指定された集合場所に行くと、他にも3人の男が集まっていた。全員が初対面だったが、誰も何の仕事をするのかよくわかっていなかった。それでも、俺たちはとにかく稼ぎたかった。集まっている場所もまた、どこか古びたビルの地下だった。
しばらくすると、あの面接官の男が現れて、俺たちに指示を出した。「これから車に乗って移動する。現場は少し離れた場所だから、途中で何も質問しないでくれ。」
車で移動した先は郊外の山道。暗くて静まり返っていて、気味が悪い感じだった。やっと車が止まると、そこは荒れ果てた廃墟のような場所だった。面接官は俺たちにスコップを渡し、「ここを掘ってくれ」とだけ言った。
掘り続けること数時間。何を掘り当てるのか全く知らないまま、ただ黙々と作業を続けた。
突然、スコップが何かに当たった音がした。何か固いものを掘り当てたみたいだった。俺たちが掘り返すと、古びた箱が土の中から現れたんだ。
「それでいい、もう帰っていいぞ」と、面接官は言った。俺たちは箱の中身を見ることなく、その場を立ち去るよう指示されたんだ。
翌日、指定された口座に10万円が振り込まれていた。確かに約束通りだったけど、あの箱のことが気になって仕方がなかった。誰もその仕事の詳細を教えてくれないし、あの場所にも二度と行けない。
しばらくして、同じアルバイトをした他の男と偶然出会った。「お前、あの仕事覚えてるか?あの後、あの場所で事故が起きたらしいんだよ。…で、噂では、あの箱を掘り返してから、何人かおかしくなってるって…。」
俺たちはそれ以上、深入りするのはやめようと無言でうなずいた。
















