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遭難した夜の訪問者

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久しぶりの登山だった。天気予報は晴れだったし、久々に自然に触れることを楽しみにしていた。登山を始めてからは順調で、山の空気も澄んでいて気分は最高だった。しかし、登山をしている人なら誰もが知っている通り、山の天気は変わりやすい。

午後に差し掛かったころ、突如として雲行きが怪しくなり、冷たい風が吹き始めた。「困ったな、こんなに早く天気が悪くなるなんて聞いてないぞ…」と心の中でつぶやいた。山の天気を甘く見ていた自分を少し後悔したが、もう遅い。私はそんなに多くの装備を持ってきていなかった。

しばらく雨が降り続け、寒さが一層厳しくなってきた。日が沈む頃には気温はぐっと下がり、震えながら山小屋の近くにたどり着いたが、小屋は無人で鍵もかかっていた。仕方なく、焚火を起こして夜を過ごすことに決めた。持っていた予備の服をすべて着込み、なんとか寒さをしのごうとした。

夜も更け、周りは完全に暗闇に包まれた。冷たい風が吹き抜け、焚火の火も小さくなってきた。体力は奪われ、寒さは骨の髄まで染み渡るようだった。「これでは朝まで持つのか…」と思い始めたその時、何かが背後から近づいてくる気配を感じた。

振り返ると、そこには見たことのない姿の「ものたち」が立っていた。身長はやや低めで、体は銀色の光沢を持っていて、人間のようだがどこか違和感があった。顔立ちは不気味なほど整っており、目が異常に大きい。まるで映画に出てくる宇宙人のようだった。

彼らは何も言わず、ただ私を見下ろしていた。「まさか…これは拉致されるのか?実験でもされるのか?」とパニックになりかけた。しかし、次の瞬間、その「宇宙人たち」は何の攻撃もしてこなかった。代わりに、彼らは私に温かい服や飲み物、そして食べ物を差し出してきたのだ。

「なんだ…これは?」

彼らは言葉を交わすことはなく、ただ静かに私の近くに座り、何かを観察しているようだった。私は恐る恐るその服を受け取り、飲み物を口にした。驚くほど温かく、体の芯から温まるのを感じた。食べ物もどこか奇妙な味がしたが、栄養たっぷりのようで、体力が徐々に回復していくのがわかった。

一体何が起こっているのか理解できなかったが、そのおかげで、夜の寒さを凌ぐことができた。

翌朝、私は目を覚ますと、周囲に誰もいなかった。空はすっかり晴れ渡っていて、昨日の嵐が嘘のようだった。焚火の跡は残っていたが、あの「宇宙人」たちの痕跡はどこにも見当たらない。ふと自分の服を見ると、それは昨日着ていたもののままだった。新しい温かい服も、差し出された食べ物もどこにもない。

夢とは思えないほどリアルだったが、証拠が何も残っていない以上、そう考えるしかなかった。山を下りる準備をし、無事にふもとまで戻った私は、頭の中でずっとあの不思議な夜の出来事を反芻していた。

あれは本当に夢だったのだろうか?それとも、何者かが私を助けてくれたのか?彼らは一体何者だったのだろう?

一つだけ確かなのは、その夜、私は助けられた。