奇妙な客人
昔々、まだ村が農作物を育てて暮らしていた時代のこと。俺の祖母が、子供の頃にあったという不思議な話を聞かせてくれた。
ある日、村に見慣れない風貌の客人が訪れた。背が高く、肌の色もどことなく日本人とは異なり、言葉も少し訛りがあったという。その人は大きな鞄を持っており、中には見たこともない不思議な道具が詰まっていた。村人たちは最初、彼を少し警戒していたが、彼は穏やかで、特に害がある様子もなかったので、しばらく村に滞在することを許された。
彼は特に村で何をするでもなく、時々不思議な道具を使って何かを作ったり、村の人々と雑談を楽しんでいた。そして彼の鞄から取り出される道具の一つ一つが、村人にとっては初めて見るものばかりで、誰もその使い道を理解できなかった。
そんなある日、村の子供が突然奇妙な病にかかった。高熱を出し、身体は震え、医者も原因がわからず、村中が混乱していた。何を試しても子供の状態は悪化するばかりで、やがて村人たちが希望を失いかけていたその時だった。
客人がゆっくりと子供のもとに歩み寄り、鞄の中から筆を取り出した。彼は黙って子供の姿を描き始めた。その絵は驚くほど精巧で、まるで生き写しのように正確だった。しかし、奇妙なことに、顔だけは鬼のような恐ろしい姿に描かれていた。村人たちはその異様な絵に一瞬恐怖を感じたが、何も言えずに見守っていた。
絵が完成すると、客人はそれを外に持ち出し、焚火の中に投げ込んでこう言った。
「もう大丈夫だ。」
その瞬間、燃え上がる絵を見つめながら、村人たちは子供のうめき声が急に止むのを耳にした。駆け寄ってみると、子供は汗で濡れた顔を拭いながら、まるで今まで病気だったことが嘘のように元気になっていた。
村人たちは驚き、感謝の気持ちでいっぱいになった。その夜、奇跡を起こした客人を囲んで、村は宴を準備することにした。客人は野鳥を見に行くと一度村を離れたが、宴が始まる頃になっても彼は戻ってこなかった。
夜が更けても、客人は二度と村に姿を見せることはなかった。彼がどこへ行ったのか、どうやって子供の病を治したのか、誰も知ることができなかった。
祖母はいつもこの話を最後にこう締めくくる。
「彼が本当に何者だったのかは、誰にもわからない。ただ、あの夜の不思議な出来事は今でも村に伝わっている。」















