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島の祭り歌

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俺は小さな離島で生まれ育った。都会から離れたその島は、自然に囲まれた平和な場所だが、独特の風習が残っていた。その中でも、一番奇妙だったのは、島で年に一度行われる「夜祭り」だ。

島の夜祭りは、祖先を敬うためのもので、島全体が参加する。灯籠を海に流したり、夜通し踊ったりするのが習わしだが、その祭りで一番印象に残るのは「祭り歌」だった。島の古くからの歌で、歌詞は代々伝えられてきたらしい。しかし、その内容が奇妙で、子供の頃からずっと俺はその意味を理解できなかった。

大人たちは、歌詞の意味を説明することはなく、「昔からこう歌っているだけだから」と言うだけだった。俺もその謎に触れるのが怖くて、深くは聞き込まなかった。だが、歌われるたびに、歌詞の不気味さが心に残る。

例えば、歌詞の一部はこんな感じだ。

「ひとつ ふたつ 夜の声
みつよっつ かけてゆく
いつつ むつの 波の音
ななつ やつらが 呼んでいる
ここから先は ひとりきり」

その歌詞は不思議なリズムで、何度も繰り返される。歌うとき、島の人々は無表情で、まるでその歌詞が自分たちの一部であるかのように口ずさむ。子供の頃はその光景を見て背筋が寒くなったが、大人になった今でも、その意味はわからないままだった。

ある年、俺は久しぶりに島に戻り、夜祭りに参加することにした。都会に出てから数年が経っていたが、祭りの雰囲気は昔と変わらなかった。島の人々は相変わらず歌を歌いながら踊り続けていた。

祭りが進むにつれ、あの不気味な歌が始まった。聞き慣れたはずなのに、改めて聞くと、なぜかいつも以上に異様に感じられた。特に「ななつ やつらが 呼んでいる」という歌詞が頭にこびりつき、何度も繰り返し響いてきた。

「やつら」とは誰のことだ?島のどこかに存在する何者かを指しているのか?それとも、ただの象徴的な表現なのか?

その夜、歌の余韻が頭から離れず、俺は何度もその部分を思い返していた。翌日、昔の友達にこの歌について尋ねてみた。友達は少し顔を曇らせて言った。

「お前、気になるならあまり深く聞かない方がいい。昔から言われてるんだよ、この歌は…」

その言葉に寒気がしたが、友達はそれ以上何も言わずに話を変えてしまった。俺はその日以来、あの歌の意味を考えることを止めた。

しかし、今でもふとした瞬間にあの歌詞が耳に蘇る。